【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!
これ以上、踏み躙られるのはごめんだった。
スマートフォンを手に取り、警察に電話をかける。


「もしもし、警察ですか? 不審者が店に……っ」

「誰が不審者ですって!? ふざけんじゃないわよ!」


逆上した姉が杏珠の腕を掴む。
今までの恨みを込めて引っ叩くと、姉の旦那だという男性も加わり激しい掴み合いになってしまう。
そして……。

──ゴチンッ

重たい音と共に後頭部に鋭い痛みが走る。
視界がボヤけてガラスが割れる音と悲鳴が聞こえた。


「うっ……!」

「ちょっと……! どうすんのよっ」

「お前のせいだろう!?」

「私は何もしていないわ! コイツが勝手に転んだだけでしょう!?」


言い争う声が次第に遠のいていく。
目の前ではショーケースに入っていた宝石が転がっている。

(折角、苦労してここまで頑張ってきたのに……またすべて奪われてしまうの?)

悔しさから手のひらを握り込む。
しかし体がスッと冷えていき、視界が真っ黒に染まった。


……と、いうところで記憶が途切れている。
警察が来てくれていたら、あの人たちは逮捕されただろうか。

(悔しい……! 悔しすぎるっ……!)

涙が溢れ出して止まらなくなった。
あのまま死んでしまったのだろうか。
夢半ばで、またアイツらに邪魔をされてしまった。
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