隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい


木々が生い茂る薄暗い道を歩きながら、半信半疑で彼のあとをついて辿りついたのは、校門と正反対のところにある裏門だった。


大きくてキレイな正門とは違って、裏門は古めかしく随分と年季が入っている。


「あれ? でも、ここ鍵がかかってるみたいだよ?」


私が裏門に手をかけると、鍵がかかっていて開かない。


「門を開けて入るんじゃない。ここを登るんだよ」


そう言って彼は、私よりも背の高い裏門に両手をかけ、慣れた様子でよじ登っていく。


そして長い足で門を軽々とまたぐと、あっという間に飛び降りて、門の向こう側へと着地した。


えーっと。ひょっとしてこれは……私にも同じようにやれってこと?


「ほら。君も早く登ってきなよ!」


やっぱり……! そうなるよね。嫌な予感、的中。


今はズボンではなくスカートであることが気になりつつも、私は門に手をかけてよいしょと登る。


「うわ、けっこう高い」


門の上をまたいでみて分かった予想外の高さに、私は思わず声をあげる。

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