隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい
倒れた拍子に男の子が掛けていたメガネが地面に落ち、彼の素顔があらわになっていたから。
「やばい。かっこいい……」
無意識に、口からこぼれる言葉。
黒目がちの大きな瞳に、スッと高い鼻。
彼は芸能人なのかと思ってしまうほど、とてもキレイな顔立ちをしている。
まさか、こんなにもイケメンさんだったなんて……。
あまりにもキレイな顔に、ポーッと見とれていると。
「君、大丈夫!?」
起き上がった彼が、真っ先に私に声をかけてくれた。
「はっ、はい。私は大丈夫です……あなたは?」
「うん。どこも痛いところはないし、大丈夫だよ」
「はぁ、良かった……」
男の子が怪我をしていないと分かり、私は胸を撫で下ろす。
「あの、本当にすいませんでした」
地面に落ちていたメガネを拾って彼に渡すと、私はガバッと頭を下げて謝罪する。
「いいよ、いいよ。君に怪我がなくて良かった」
彼に微笑まれ、鼓動が小さく音を立てた。
なんていい人なんだろう。後光が差して見えるよ……!