フォーエバーフレンド〜黒猫は会いにいく〜
6☆覚えてるよね
『カワイイね、この辺の子じゃないよね』
そう言った。
名前を言ってくれなかった。
やっぱり、見た目じゃ覚えてないか。
前は思い出させるとか言ってたけど……どうしようかな。
近づいてきたミツイに頭を撫でられながら、ミニクロはそんなことを考えていた。
ただミツイは、ミニクロを撫でながら笑って、
『君を見てると、ミニクロを思い出すな〜』
なんて言うから。
ハッとして、顔を見上げた。
『ミニクロはね、ボクの大切な猫だったんだよ〜、今どうしてるかな』
懐かしそうに語るミツイに、ミニクロは我慢できずに隠していた尻尾を九本出した。
『私がミニクロだよ』
『!!』
『覚えてるよね』
ミニクロが2本足で立ち上がって前足でイツミの足に手を当てると、ミツイはミニクロを抱き上げてギュッとした。
『覚えてるよ、会いたかったミニクロ』
『私も会いたかった!!』
そうして、しばらく2人で抱き合ってた。