フォーエバーフレンド〜黒猫は会いにいく〜
 
 その後、キジトラのオスネコのチビトラと灰色の長毛種のパープーのこともミツイは撫でてから。



『よくここがわかったね』


 と言うミツイに、


『見つけるのは簡単だったよ』



 と、ゴロゴロ喉を鳴らしながらミニクロが答えた。



 ミツイは、ミニクロをしばらく見てから悩むように首を傾げて。



『ミニクロを飼ってもらえるように頼まなくちゃな ………』

『猫いるもんね、ミツイが飼いたいって言ってたの?この子たち』


 この子達というのは、チビトラとパープーの2匹のこと。


 自分のことを覚えていたのに、猫を飼うことにしたというのは不満もでるから、聞いてみた。

 すると、ミツイは少し唸ってた。


『家族全員でいろんな猫飼ってたんだよ、最初に猫飼い始めたのはお母さんなんだ。

 その猫が子猫産み始めて、それで子猫がどんどん増えていって。

 親子同士、兄弟同士で子供作ってもいたから、血が濃い家族でね、それで死にやすい子猫達になってるんだよ。

 ここにいるのはその生き残りの猫達ってとこなんだ。前はもっとたくさんの猫達がいたんだ』



 詳しい説明をしてくれて、なんとか分かった。



 ミツイの今の家族も結構猫好きらしい。


『そうだったんだね。でも、私を飼いたいと言って了解もらえるのかな』

『もらえないのは嫌だ、だからOKもらう』


 ミツイは押し通す気満々でミニクロを持ち上げて、家の中へ向かった。


 その後をチビトラとパープーも向かった。

< 10 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop