崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
意を決してそう口にすると、ハァッとため息を吐いた浅見がちらりと自身の担当へと顔を向けた。そして担当からネームを受け取り、私の方へと差し出す。何も笑っていない彼女は、まるで私の知らない人のようだった。
「ね。みのりと私ってどれくらいの付き合いだっけ」
「もう、八年くらいかな」
「沢山一緒に漫画描いたよね。朝までバカみたいに語ったよね」
「うん」
まるで過去を懐かしむような言葉を、感情のこもっていない目で告げられる。その度に私の心は切り裂かれるような痛みを感じた。
「何が言いたいの?」
「それだけ一緒に描いてたら、好みも考え方も、話作りも似ちゃうよねって思って」
コテッとわざとらしく首を傾げ、口角だけあげた浅見がにこりとした笑顔を貼り付ける。
「全然知らなかったんだけど、私がSNSで上げた漫画と同じ内容のネームをみのりも描いたんだってね」
「……」
「大丈夫、私わかってるよ。こんなに一緒にいたんだもん、偶然似ちゃっただけだもんね? 私、みのりが私の漫画を〝盗作した〟だなんて思ってないからね」
そして堂々と言われた言葉に愕然とした。
「ね。みのりと私ってどれくらいの付き合いだっけ」
「もう、八年くらいかな」
「沢山一緒に漫画描いたよね。朝までバカみたいに語ったよね」
「うん」
まるで過去を懐かしむような言葉を、感情のこもっていない目で告げられる。その度に私の心は切り裂かれるような痛みを感じた。
「何が言いたいの?」
「それだけ一緒に描いてたら、好みも考え方も、話作りも似ちゃうよねって思って」
コテッとわざとらしく首を傾げ、口角だけあげた浅見がにこりとした笑顔を貼り付ける。
「全然知らなかったんだけど、私がSNSで上げた漫画と同じ内容のネームをみのりも描いたんだってね」
「……」
「大丈夫、私わかってるよ。こんなに一緒にいたんだもん、偶然似ちゃっただけだもんね? 私、みのりが私の漫画を〝盗作した〟だなんて思ってないからね」
そして堂々と言われた言葉に愕然とした。