崖っぷち漫画家はエリート弁護士の溺愛に気付かない
「彼氏のことなのに……。もしかしてみのりって彼氏さんに全然興味ない……?」
「うぅーん」
 興味ないか、と直球で聞かれ思わず口ごもる。私は恋愛漫画を描いているくせに恋愛から遠ざかっていたせいで、確かにそういった配慮が足りなかったのかも、と反省した。
「みのり、俺は」
「うん。浅見の言う通り高尚の事務所には正直興味なかったかも。弁護士ってことは知ってたけど、私が好きになったのって弁護士の高尚じゃなく、居酒屋でガン飛ばしてくるような失礼で子供っぽい高尚だったし」
 自分の発言に深く納得しながらコクコクと何度も頷いた私は、パッと高尚を見上げた。

「何か緊急で連絡したい時とか、これからのことを考えるともう少し高尚の外面も知るようにするよ! いざという時に対応できないと困るもんね!?」
「いや、えっと」
「あ! 別に今すぐ何かってわけじゃないよ!? この間のメッセもそんな深い意味じゃないというか重い意味じゃないというかさ!? でも、確かに緊急連絡先がわからないって困るなって、今浅見に言われて気付いたよ。ありがとうね、浅見」
「えぇ? 私はそういうことを言いたいんじゃ」
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