怜悧な裁判官は偽の恋人を溺愛する

「それじゃあとりあえず、お疲れ様ってことで乾杯!」

 先日優流と三人で訪れた洋食店ーーbono・bona(ボノ・ボナ)に来た私たちは、シャンパンが入ったグラスで乾杯していた。そのままひと口飲むと、シャンパンの爽やかな味わいが口に広がった。

「んー、久しぶりのお酒美味しい!」

 シャンパンを半分まで一気飲みして、凛は嬉しそうに笑う。あまりにも幸せそうに笑うので、私も釣られて笑顔になっていた。

「さ、美味しいうちに食べちゃいましょうか」

「はい。ピザ、切り分けていきますね」

「ありがとう、じゃあパスタのほう分けてくね」

 私たちは、今日は二人用の「女子会コース」を頼んでいた。取り分けサイズのメイン料理二種類と、サラダとデザート。そして乾杯ドリンクと食後のドリンクまで付いているので、食べ応えは抜群だ。

「本当は、お兄ちゃんと来た時もこれを頼もうか迷ったけど……お兄ちゃんだけ仲間はずれも可哀想だし、単品にしといたの。頼めば三人用でも作ってはくれるだろうけど、お兄ちゃん、女子じゃないしね」

「ふふっ、もう、みどりんさんってば」

 凛のひと言に、私は堪らず吹き出した。動画配信者でもある彼女は、とにかく話が面白いのだ。
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