月とスッポン      ありのままは難しい
「偶然お姉様に会って、いっぱい話ししちゃった。
最高の時間と空間だったなぁ。思い浮かべるだけで眼福だよ」
「がんぷく」

「目が幸せ。お姉様がそこにいるだけで、一枚の絵画だよね」
「本当に好きなんですね」

「好きって言うより、実際に存在しているってだけで尊い。でも、パリに行っちゃうんだって。遠い。でも、遊びにおいでって言って貰ったんだぁ。お金貯めて、いつか絶対に行く!パリの街並みをバックに立つお姉様。
素敵だろうなぁ」

「いつかなんですか?海から近々フランスへ行くと聞いてたのですが?」
「パスポートすら持ってないのに、すぐには行けないですよ」

「パスポートは2週間ほどあれば手に入りますよ」
「そうなんですか!でも、今のところ予定にないですねぇ。いつかは行きたいので、その決意表明に申請書類だけは貰うに行っちゃいましたけどね」

「達也さんが店の改装工事の為に長期休業するのでその間に行くから、春からスクールに通っていると聞いたのですが」
「それは初耳です」

ちゃんと聞けば海の挙式の準備の手伝いを断った時から始まる。

「うん。いろんな話を全部まとめて一つの話になってるねぇ。まず」

2人の結婚式なんだから2人で決めるべき。だと思って辞退しただけ。

その言い訳に
常連のお孫さんがフランスから遊びに来る事になって、4日ほど都内観光に付き合っただけ。
店の改装工事は達ちゃんの願望で、何一つ決まっていない。

「そうだったんですね」

大河がホッとしたタイミングで、1回目の休憩SAに到着する。

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