月とスッポン ありのままは難しい
「暇そうな円仁に仕事を与えたのか、何かする事で気を紛らわさせた優しさなのか」
「そこは後者だと思います。《それに写経は古来から経典の持つ不思議な力を授かる、仏教徒にとって尊い修行です。その力を最澄は信じていたのでしょう。
実際、その功徳があったからこそ円仁は、元気を取り戻します。その時の写経を宝塔に納め本尊として祀り建立したのが、横川の根本如法堂です》」
木々の隙間から、赤い建物が見え始めた。
ぐるっと一周という事は、この池にはまた戻ってくるので、後回しにさせて頂き、見上げれば石垣の上に横川中堂。
緑の中に立つ赤いお堂。
なんと美しいコントラストなのだろうか。
これを「ばえる」と言わずなんと言う。
「《横川中堂は、1584年に秀吉が再興し、1604年 江戸時代に入り、淀殿により改修されました。近代、1942年に落雷により焼失し、現在の建物は、1971年に再建されたものです。
屋根は【遣唐船】に似せた舞台造りの建物となっています。なので、内陣中央も部分が一段低いのも船底を模してあるそうです》」
そう言われて見直せば、船に見える。
遣唐船。
あっ、奈良で車内から見たやつだ!