月とスッポン ありのままは難しい
山王鳥居を潜る。
「この鳥居も変わった形ですね」
「【合掌鳥居】とも呼ばれていて、神仏習合の信仰を表す作りです」
「神仏習合?あっ、猿!」
「日吉大社の元々【大行事権現】を祀っていたました。大行事権現とは、東宮で祀られいる大山咋神の父である【大歳神】のことで、猿面の神様だった事から、猿は神の使い。いえ、むしろ神そのものだったとされています」
「それで、この門にも猿がいっぱい」
ズームで猿を映し出し収める。
西本宮楼門を潜り、中に入れば国宝西本宮本殿。
ここに来れた事への感謝と足早に済ます事への謝罪をする。
案内板を読みつつ、ここでしか見られない【日吉造】。正面と側面には庇があって、背面にはない。
ほうほう。
庇が美しく映るアングル、背面は
「《垂直に切り落としたような形となってますね。本殿は二層の構造になっていて、上の階は神様がいる内陣・外陣があり、内陣には、京都御所にある天皇陛下が即位の際に座る高御座と同型式のものが置かれています。
下の階は下殿という空間になって、この下殿には明治の廃仏毀釈までは仏様が祀られていて、仏像や掛け軸が安置されていました》」
「廃仏?あっ、木の狛犬。可愛い」
「《およそ400年前の本殿再建時のもので、京都の七条仏師の作です。
獅子・狛犬というのは、元々は本殿の中に置かれ、神様を守っていましたが、次第に本殿を守るように本殿の外側、さらには境内を守る様にさらにその外側へと時代を下るごとに移動していきました。
建物の外に出ると雨ざらしになるので、石造の狛犬が造られる様になっていくというわけですね》」
「って事は、古い狛犬は雨ざらしを想定していないから木製って事」
「そういう事ですね。焼き討ちからの再建の時はまだ狛犬は本殿を守る事が役割だった事になります」
「っていうか、ここ神社ですよね。延暦寺関係なくないですか?むしろ、比叡山を追い出された印象なんですけど」