月とスッポン ありのままは難しい
めっちゃ話が流されている。
大師殿の横にある階段を登り切れば、本堂に辿り着く。
「延暦寺や日吉大社の山へ続く道を思えば大した事ない坂ですけど、結構きついですね」
本音を漏らせば
「これが最後だと思って最後の力を振り絞った感じはあります」
後ろの振り返れば、空が広い。
大本坊から中へ入っていく。
木張の廊下を歩く。本堂に、客殿と時間の限りゆっくりと見ていく。
入ってしまえばこちらのもの。
時間になれば「帰れ」と言われるだろうから、周りには少ないが私たち以外にも人がいる。
逆に時間を気にしなくても済む。
「《西教寺客殿は、南面が入母屋造、北面が切妻造で木の板を何枚も重ねた杮葺の屋根を持つ建物です。
安土桃山時代の建築様式である桃山様式をよく表している建物で、桃山御殿と呼ばれています。
元々、京都市伏見区にあった伏見城の建物が大谷吉継の母、山中長俊の夫人より寄進、移築されました。
東面にある襖には、日本有数の絵師集団である狩野派の絵が描かれています》」
「豊臣の家臣の母と妻が、明智にゆかりがある寺に?何か因縁を感じます」
「たとえば」