月とスッポン      ありのままは難しい

おい、今鼻で笑ったな

「大谷吉綱って石田三成と仲が良かった人でしょ」
「仲が良い。その表現は斬新ですが仲が良かったと思います」

「だったら、謎多き本能寺の変の真相を夫ないし父から聞いていた。でも、豊臣家や徳川家が力がある時代に公表できない」
「《移築されたのが1598年 慶長3年なので、豊臣秀吉が伏見城中で生涯を終えた年になりますね。》それなら豊臣家と言うよりも豊臣秀吉に忠義を果たし終えたと」

明智家のお墓に手を合わせながら妄想話に花を咲かせる。

「そしてこの石碑に書かれている妻木家は坂本城城主で明智光秀の妻の実家になります」

【明智光秀の妻 煕子の墓】と書かれた案内板から近くにある石碑に顔を向ける。

「光秀と共に戦い、敗れ、戦死した者・自害した者のここ西教寺にお墓を設けて、この場で自害したそうです」
「この場?」
「煕子のお墓の前です」

思わず後ろに下がり私が立っていた場所を見つめる。

「ここで」
「ここで、です。妻木家は、本能寺の変など明智側につき戦いましたが、一族断絶にはなっていません」
「あくまでに加担した者としての処罰?」
「《妻木家はその後関ヶ原の合戦で徳川側についていますし、先ほど見た庭園も徳川に仕えた大名でもあり茶人、作庭家の作品です》」

「豊臣秀吉が明智光秀をそそこかした説。庭はその場で言って欲しかった」
「すみません。明智光秀への弔い、はたまたやり遂げた徳川からの報告という可能性もありますね」

「徳川家康の暗躍に踊らせられた明智光秀へのって可能性も何にしもあらずですけどね」
「そうなると徳川からの償いか感謝かという事になりますね」
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