月とスッポン ありのままは難しい
「自分が欲し多くを犠牲にして掴み取ってきた織田信長がいらないと手放すと言う事は自分が死んだと事にするしかなかったと言われれば、彼が解放される道はそれしかなかったのでしょう。
だからこそ、無責任だとは思います。自分の力に限界を感じ退くのならいくらでも方法があったはずです」
「当時の状況から考えればあれが最良のこと選択だったんじゃないですか?
なんだかんだ言って、徳川家によって平安な世になって、なんだかんだあって今は平和ボケし過ぎていると言われるぐらい平和は世の中になったんですから」
「どんな理不尽で不条理で残虐な出来事もあったからこそ、今がある。
茜は時々すごい事を言いますね。すでに釈迦の領域へと足を踏み入れていませんか?」
「1ミリも階段を登ってませんけどね。でも、それぐらい大きくて自分ではどうしようもない力に動かされていると思った方が、楽じゃないですか?
所詮、変えのきく歯車ですから」
「どんな歯車でもなくなると動かなくなりますけどね」
「だから、変えがきくって言ってるでしょうに」
笑いながら、車に乗り込み。次の目的地を検索する。
時計は後数分で5時になろうとしていた。
東雲さんが言っていた店はと言われれば検索を掛ければすぐに見つかった。
と言う事はかなりの有名店なのだろう。電話番号を入力すれば、オープン時間にちょうどいい感じで到着しそうだ。
どこに向かってるのですか?
と聞きながらも、私の発言に納得がいかない顔をしているがそれよりも晩御飯だ。
「年号亭ってとこなんだけど。リーズナブルで美味しい近江牛が食べれるんだって。東雲さんが教えてくれた」
スマホを弄りながら、「年号亭」と何度も呟いている。検索でもしているのか。
そのままさっきの話が流れる事を祈ろう。