月とスッポン      ありのままは難しい
夕食

「あそこじゃないですか?」

年号亭と書かれた赤い看板を指差しながら大河が言う。平日のオープン前。待つ車の少なくすぐに入れる事を示している。ありがたい。

「待たなくても入れそうですね」

私が安堵しながら言う。

「あと2人ほど増えてもいいですか?」

スマホを握りしめながら大河が言うのでいつもの流れで
「仕事の会食なら席外しまっせ。
と言うかもっといい料亭とかじゃなくていいんですか?」

自分で言いながら
「年号亭が相応しくないとか言う意味じゃないんですけどね、知らんけど」
と年号亭に謝罪を入れる。

「矢野真司を覚えていますか?奈良でホテルを手配してくれた男です」

矢野真司、奈良、関西人
「大阪弁の男」

「その大阪弁の男が今回の宿を紹介してくれ方がどうしても夕食をご一緒したいと言っているそうです」
「別に、どっちでも」
「なんでもいい、どこでもいい、どっちでもいいは禁句ではありませんでしかた?」

人の揚げ足を取りやがって

「わかりました。一緒に食べてもいいけど、マナーとかわかんないからね。間違っていたら、ちゃんと言ってくださいね」
「了解しました」
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