月とスッポン      ありのままは難しい

嬉しそうに言うな!
口は災いの元。
ただでさえ、大河と一緒に食事をすると自分の不甲斐なさに嫌気がさすのに、これじゃ倍増だ。

大きく息を吐く。
これはいい機会だ。大河にマナー違反を教えてもらう機会だと思おう。
うん、思おう。

時間になったのか、車から人が降りて中に入っていく。
それを見た大河も「先に入ってましょう」と車から降りた。

このままの流れだと話が続く。
重い話から元の適当妄想歴史話に話を戻したい。
ここはやっぱり信長様の力を借りるのが1番。

席に案内されメニューを見る。

「来てから注文しますか?」
「少し遅れるそうなので、先に食べていましょう」

大河の了解を得て、ハンバーグとビーフシチューをそれぞれ注文する。
ハンバーグぐらいなら、一口づつ小さく切って食べればなんとかなりそうな気がする。

サラダコーナーへ向かい好きな野菜だけを取っていれば、「バランスが悪いです」とか「もっとビタミンを」とか小言が多い。

おかんかよと睨みつつ、食べたいものを取るだけなんだからほっとけと突っ込みながら、席に戻る。

出よ、織田信長。

持ってきたベビーコーンを食べながらもふと思う。
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