月とスッポン      ありのままは難しい


「あの男は気付く男なんです!ちょっとニキビが出ただけで「甘い物食べ過ぎ」とかちょっとオシャレしただけで「男でも出来たか?そんなわけないかwww」とか気付いて余計な一言を言う男なんです」
「それは・・・」

「現代社会において絶滅危惧の生きるハラスメント男なんです」
「そうなんですか?」

「そうなんです。その達ちゃんですら気付かないのに、
言われたらどうしようとか思っている自分がめちゃくちゃ恥ずかしくないですか?どんだけ自信過剰なんだかって!」
「そう思って海に話したら海も慶太郎の実家に挨拶するからって気合い入れていつも着ないお嬢様風のワンピースを着たら何にも言われなかったみたいで。
お互い恥ずか。周りは自分が思っているほど見てないよねぇってなったんです」
「海の服装に関しては慶太郎も気づいているかと思うのですが」

なんかゴニョゴニョ言っているが、今話したい事はそう言う事ではない。

「だから!今まで恥ずかしいとか他の人から見たらって躊躇していた事をやっていこうってなったんです」
「それはいい事だと思いますよ」

「でしょ!なので、せっかくの温泉なので大浴場で堪能しようってなったわけです」
「そういうことなら、協力しますよ」
「それはいいです。自分たちで出来るので」

大人の財力を借りずに破産するからこそ意味があるのだ。
大河の肩が少し下がった気もするが、今はそれよりも初の大浴場の方が重要だ。

ちゃんと予習もしてきたので、ひどいマナー違反にはならないはず。
ではいざ

「入る前にこれを飲んでくださいね」

近くのサーバーから持ってきた小さなカップいっぱいの水を渡された。

「もう少し浸かっていたいと思うぐらいが出るタイミングなので、あまり長湯をしないように気をつけてください」

おかんか?

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