口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
(ちゃんと休暇、取れているのかな……)
陸の上では労働基準法にて週休一日の休暇が義務づけられているが、自宅に殆ど帰って来ない彼が本当に休めているのだろうかとつぐみは心配で堪らなかった。
(倒れないといいけど……)
海の中できっちり身体を休める時間がなければ、大問題になるだろう。
つぐみの不安は尽きない。
(私って、本当に無力だなぁ……)
清広の書いたメモを冷蔵庫に貼りつけたつぐみは、紙に記載された彼の文字をなぞりながら、ゆっくりと目を瞑る。
『つぐみ』
別れたばかりだからか、彼の顔と声は明瞭に思い出せた。
(早く帰ってきてほしいなんて、言える立場ではないけれど……)
清広が再び姿を見せるその日まで、つぐみは彼のいない生活を受け入れ──生活していくしかない。
(よし。今日もお仕事、頑張ろう……)
彼女は自身に喝を入れると、自宅をあとにした。
陸の上では労働基準法にて週休一日の休暇が義務づけられているが、自宅に殆ど帰って来ない彼が本当に休めているのだろうかとつぐみは心配で堪らなかった。
(倒れないといいけど……)
海の中できっちり身体を休める時間がなければ、大問題になるだろう。
つぐみの不安は尽きない。
(私って、本当に無力だなぁ……)
清広の書いたメモを冷蔵庫に貼りつけたつぐみは、紙に記載された彼の文字をなぞりながら、ゆっくりと目を瞑る。
『つぐみ』
別れたばかりだからか、彼の顔と声は明瞭に思い出せた。
(早く帰ってきてほしいなんて、言える立場ではないけれど……)
清広が再び姿を見せるその日まで、つぐみは彼のいない生活を受け入れ──生活していくしかない。
(よし。今日もお仕事、頑張ろう……)
彼女は自身に喝を入れると、自宅をあとにした。