口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「今日は、清広さんと一緒に、寝てもいいですか……?」
「もちろん」
「ありがとうございます!」

 満面の笑みを浮かべたつぐみは急いで夕食を完食すると、使い終わった食器を洗ってから清広の手に指先を絡めた。

「お帰りなさい……」
「ああ、ただいま」

 疲労が蓄積していたせいで、彼が帰宅した直後に伝えられなかった挨拶を行ったつぐみは、自ら彼の部屋へ歩みを進める。
 ごろりと勢いよくベッドへ寝転がった彼女は、彼を誘った。

「清広さん」

 日を増すごとに積極的な態度を見せるつぐみを、清広はどう思っているのだろうか。

(かわいいとか、嬉しい、とか。思ってくれたらいいな……)

 都合のいい夢を見たつぐみが、両手を広げて彼を待ち構えれば。
 夫は妻の気持ちへ応えるように、ベッドに横たわるつぐみへ勢い飛びついた。
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