口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
2・あなたが海上自衛官になった理由
ベッドの上で目覚めたつぐみは、嗅ぎ慣れない匂いを感じて眉を顰めた。
(この匂いは、どこから漂って来るのだろう……)
それを探るべく真横に視線を移せば、真っ白なワイシャツが彼女の目に飛び込んでくる。
ゆっくりと目線を上空に向ければ、隣で目を閉じて眠っているのが清広だと気づき──。
(そうだ……。昨日、清広さんと再会したんだった……)
寝ぼけていた彼女は、しっかりと事実を認識した。
(昨日はこんな変な匂い、しなかったのに……)
かなり長い間密着していたが、フローラルな香りしかしなかったはずだ。
(香水を、落としたのかな……?)
体臭を気にして香水を振りかけるイメージなど、清広にはまったくと言っていいほど存在しない。
(清広さんに、聞いてみようかな……)
どうしてもつぐみに好かれたい清広の戦略であれば、指摘した瞬間彼のプライドを傷つけることになるだろう。
彼女はどうしようか迷いながら、胸元に載せられていたシーツを手繰り寄せ、口元を覆う。
(そんなことより……)
シーツの下を覗き込んだ彼女は、自身がしっかりと黒いドレスを身に着けていることを確認し、ほっと胸を撫で下ろした。
(この匂いは、どこから漂って来るのだろう……)
それを探るべく真横に視線を移せば、真っ白なワイシャツが彼女の目に飛び込んでくる。
ゆっくりと目線を上空に向ければ、隣で目を閉じて眠っているのが清広だと気づき──。
(そうだ……。昨日、清広さんと再会したんだった……)
寝ぼけていた彼女は、しっかりと事実を認識した。
(昨日はこんな変な匂い、しなかったのに……)
かなり長い間密着していたが、フローラルな香りしかしなかったはずだ。
(香水を、落としたのかな……?)
体臭を気にして香水を振りかけるイメージなど、清広にはまったくと言っていいほど存在しない。
(清広さんに、聞いてみようかな……)
どうしてもつぐみに好かれたい清広の戦略であれば、指摘した瞬間彼のプライドを傷つけることになるだろう。
彼女はどうしようか迷いながら、胸元に載せられていたシーツを手繰り寄せ、口元を覆う。
(そんなことより……)
シーツの下を覗き込んだ彼女は、自身がしっかりと黒いドレスを身に着けていることを確認し、ほっと胸を撫で下ろした。