口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「着いたぞ」

 清広から目的地に到着したことを教えられたつぐみは、セーラー襟のワンピースを購入後、この場所にやってきた理由を悟る。

「ここは……」

 目の前に広がる美しい海と、視界の端に映り込む港に見覚えがあったからだ。

「思い出したか」
「……はい」

 寄せては返す波の音と、空を自由に羽ばたく鳥達の声を耳にしたつぐみは、十五年前の思い出を脳裏に思い浮かべた。
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