口下手な海上自衛官は、一度手放した元許嫁に海より深い愛を捧ぐ
「あの、私……。一人で、歩けますから……!」
「家にいる間は、つぐみと少しでも長く触れ合っていたいんだ。駄目か?」
大好きな人と少しでも触れ合いたい気持ちは、つぐみの中にもある。
(嫌ですなんて、言えないよね……)
声に出して返事をするのが恥ずかしかった彼女は、顔を真っ赤しながら首を左右に振るのが精一杯だった。
その姿を目にした清広は口元を綻ばせて喜ぶと、リビングに置かれたソファの上に座る。
(き、気まずい……)
彼の膝上に乗ったつぐみは居心地の悪さを感じながら、後ろから抱きしめてきた彼の両腕を否定することなく受け入れた。
「明日は仕事か」
「はい。清広さんは……?」
「俺はしばらく休みだ」
「どのくらい、ですか?」
「正確なことはわからん。何もなければ、三日程度の猶予はある」
海上自衛官の勤務形態をよく知らないつぐみにとって、清広のふんわりとした返答には驚くことしかできない。
保育士は基本シフト制で、人手が足りない時に呼び出されることはあっても、週に一度は必ず休みがあるからだ。
「家にいる間は、つぐみと少しでも長く触れ合っていたいんだ。駄目か?」
大好きな人と少しでも触れ合いたい気持ちは、つぐみの中にもある。
(嫌ですなんて、言えないよね……)
声に出して返事をするのが恥ずかしかった彼女は、顔を真っ赤しながら首を左右に振るのが精一杯だった。
その姿を目にした清広は口元を綻ばせて喜ぶと、リビングに置かれたソファの上に座る。
(き、気まずい……)
彼の膝上に乗ったつぐみは居心地の悪さを感じながら、後ろから抱きしめてきた彼の両腕を否定することなく受け入れた。
「明日は仕事か」
「はい。清広さんは……?」
「俺はしばらく休みだ」
「どのくらい、ですか?」
「正確なことはわからん。何もなければ、三日程度の猶予はある」
海上自衛官の勤務形態をよく知らないつぐみにとって、清広のふんわりとした返答には驚くことしかできない。
保育士は基本シフト制で、人手が足りない時に呼び出されることはあっても、週に一度は必ず休みがあるからだ。