連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
「リアム、こちらはマンダレイ氏だ。お前に興味があると言ってくれている」

マンダレイ氏は中央のソファーに座って、目を細めるようにして僕を見た。

昨日よりも、顔色はいくらかましだし、着ているスーツも高級品だ。
髪もオールバックにして、きちんと整えられている。

「リアムは銃も扱えますし、護衛もできます。
それに女装しても違和感がないですから、いろいろお客様もお楽しみいただけると思います」

マネージャーは、さっそく売り込みにかかった。

「うるさいのは、苦手なのだが」
マンダレイ氏はポツンと言った。

「リアムは物静かですし、邪魔にならない奴です。大柄なオトコとは違いますしね」
マネージャーは、巨体をゆらしておかしそうに笑った。

マンダレイ氏は笑わなかった。
「君は、絵のモデルはできるかね」

マンダレイ氏は、静かに僕に問いかけた。
もちろん奴隷の僕に、NOはない。

「はい、できます」
「そうか、それならいい」

マンダレイ氏はうなずくと、マネージャーを横目で見た。

「いかがしますか?今日、お持ち帰りになりますか?」

マネージャーは、ホクホク顔でマンダレイ氏を見た。

「ああ、そうする。車をまわしてくれ」
マンダレイ氏が立ち上がった姿を見て、僕は思った。

このご主人様は、僕にどんなプレイを命じるのだろうか?

足かせが皮膚にすれて、不快な感じがする。
< 11 / 70 >

この作品をシェア

pagetop