連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
マンダレイ氏の館
<マンダレイ氏の屋敷>
高級車の後部座席に、マンダレイ氏と僕は並んで座った。
助手席には黒い鞄、あの中にコントロール用のタブレットも入っているのだろう。
足環の解除用の暗証番号も、教えられているはずだ。
マンダレイ氏はひどく疲れているようで、目を閉じている。
年齢は30代中ば、猫背のせいか老けて見えるが、肌が白く男装したオンナのように見える。
顔立ちも繊細な感じで、化粧をしたら結構な美人さんになるだろう。
指もほっそりとして綺麗だが・・・のどぼとけが出ているので間違いなくオトコだ。
痩身だし、組みふせたら、僕の方が腕力で勝つだろう。
僕はこの新しいご主人様に、希望の光を見出した。
どこかでチャンスがあれば、「自由」を掴む!!
「トビアス様、本館に行きますか?それとも・・・」
「別館のほうにつけてくれ」
運転手の問いに、マンダレイ氏は目を閉じたまま答えた。