連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
「かしこまりました」

車は高速道路を走り、いくつかの街を抜け、緩やかな丘を登って下ると、大きな森が続く地帯に入った。
幹線道路から脇道をしばらく入ると、大きなアイアンワークの門が見えた。

運転手はリモコンを操作すると、大きな門が左右に開き、そのまましばらく走ると・・・
城?
いや大きなお屋敷だ。

中央に車寄せがあり、古い映画に出てくるような貴族のお屋敷。

庭の中央には水の枯れた噴水、そして古びたライオンの彫刻が一定間隔で置かれている。
そこは人気がないようで、廃墟のようにも見える。

そのまま本館を通り過ぎていくと、ガラス張りの大きな温室と小さな2階建てのコテージが見えた。

運転手が車を止めると、建物の前で若い東洋人の男性が待っていた。
その男は後部座席のドアを開けると、車の中を覗き込んだ。

「お帰りなさいませ。トビアス様。お食事の準備はできております」

「ああ、でも、疲れた。少し休みたい」
マンダレイ氏が車から降りたので、僕も続いて降りた。

「こちらのお客様は・・?」

「ああ、彼は・・・絵のモデルとしてしばらく滞在してもらう。彼の食事も追加で頼む」

「かしこまりました。すぐに手配をします」



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