連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
「失礼します。私はトビアス様の助手で、ルーミェンと言います」

その声で・・・僕は喉がつまり、窒息するかと焦った。

前かがみで咳をしていると、先ほどの東洋人の男が前に立っていた。
気配を消す奴らしい。

「言いにくければルーミンで結構です。
お食事をお持ちしたのですが、どこでお召し上がりになりますか?」

僕は苦しいのを無理して、とびっきりの笑顔をつくり、片手のサンドイッチを掲げた。

それから鞄に触れようとした手を、ズボンのポケットにすぐに入れた。

「僕は・・・今・・サンドイッチをいただいたので」

「そうですか。では温かいスープはいかがですか?」

ルーミンは微かに口角を上げ、台所に行くように手を向けた。
「ありがとうございます」

今はこの東洋人に、従ったほうがよさそうだ。

僕たちは台所に戻った。
「何とお呼びしてよろしいですか?」

ルーミンは鍋に火をつけると、手慣れたようにスープ皿やスプーンを取り出した。

「はい、リアムっていいます。あのルーミンさんはここに住んでいるのですか?」

「いいえ、通いです。必要な時は宿泊しますが」

ルーミンは無駄口をたたくタイプではない。
< 15 / 70 >

この作品をシェア

pagetop