連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
そして外国人特有のアクセントが、時々混じる。

「マンダレイ様は・・・何をなさっている方なのでしょうか?」

広大な敷地、豪華な屋敷、大金持ちであることは間違いない。

「東洋美術専門の評論家です。本も執筆されています。あと、時折絵もお描きになります」

僕にモデルになれって、言っていたよな。

「あのお屋敷に、住んでいらっしゃるのですか?」

「マンダレイ家の御当主でありますが、普段はこちらで生活なさっています」

ルーミンは手早くスープを注ぎ終えると、今度はお茶のカップ出して並べている。

スープはオニオン風味ですごくおいしい。
食事がいいのなら、しばらくここにいてもいいか。

「ルーミンさんはどんな仕事をしているのですか?」

「画学生です。本館の絵画の臨書・・・つまり模写をさせてもらって勉強をしています。
そして、トビアス様の援助を受けているので、助手の仕事もします」

この東洋人も彼に囲われているのか?

寵愛ではなく、絵の才能を買われたのか・・・僕はルーミンの墨で汚れたシャツを見た。

「その、僕はどこで寝たらいいですか?」

「1階の客用寝室をご用意いたします」
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