連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
金が欲しい。それも現金だ。カードや貴金属は足が付きやすい。

僕には身分証明書がないから、金がつきれば、またどこかの街で街娼をやって稼ぐしかない。

息が臭くて、毛むくじゃらなオトコに抱かれるのは、虫唾が走る。

僕は指示された通り、扇を受け取り椅子に座った。

「脱いだほうがいいですか?」

客が何を期待しているのか、素早く察知し、すぐに行動に移せる能力は重要だ。

女王様のように振る舞うのか、それともあばずれ風か、清楚に見えるが、実は脱ぐと淫乱風とか・・・

オトコの娘を演じてきた僕は、マンダレイ氏の顔色を伺った。

「そうだな。そうした方が輪郭がよくわかる」

僕は素早くシャツを脱ぎ、ズボンも脱いだ。

パンツに手をかけたとき

「そこまで脱がなくていい。それに寒いからシャツを羽織りなさい」

そう言ったマンダレイ氏の手には、スケッチブックと筆があった。

そばでルーミンが、黒い石をゴシゴシこすって黒い液をつくっている。

「これは墨をつくっているんだよ。絵の具のようなものだ」

彼は説明を終えると、筆に墨を十分に含ませた。

「ルーミン、熱いお茶を頼む」
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