連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
僕は、マネージャーの機嫌をそこねないように、素早く首輪をつけた。

奴隷に拒否権はない。

全てYESと言わなければ・・・死ぬ。

「ふん、いいぞ。今日の衣裳に赤い首輪は似合うな。客が興奮するだろう」

僕の衣裳は、黒光りするレザーのパンツと短いベスト。

コンセプトはオトコの娘。


舞台で髪を振り乱し、ポールダンスをする。

その後、相方とセックスショーを見せて、観客の興奮をMAXまで上げる。

「網タイツは、盛大に破けよ。客が喜ぶ。
あと、オイルとローションでお前のブツを際立たせるのを忘れるな」

「はい、わかっています」

ここは、オトコしか入れない秘密の会員制クラブだ。

客のブツをギンギンにさせて、上で待機している同僚(男娼)に引き渡すのが僕の仕事なのだ。

「OK。足首のやつを外していいぞ」

許可が出たので、僕は屈んで緩んだ足環をはずし、素早く網タイツを履く。

ガーターベルトで止めて、赤いピンヒールを履く。

「よし、後ろを向いて見ろ」

マネージャーは鳥のもも肉にかぶりつきながら、最終チェックを始めた。

脂ぎった指と、臭い息には辟易する。

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