連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
温室に戻ると、彼は籐椅子に持たれて眠っていた。

「トビアス様、起きてください。ここで寝ると風邪をひきますよ」

「ああ・・うん、えーーと、君は・・」

「リアムです。ルーミンさんの代わりをこれからやります」

トビアス様の視線は、まだ眠たげにさまよっている。

「お食事はどうされますか?」

「いらない。ワインだけ頼む。あと、煙草を持ってきてくれ」
そこは即答だった。

ファイルにあった、酒と煙草は切らさない事。

半病人だが、それなりに不健康な生活を好むらしい。

「その、トビアス様、僕の服とか日用品を、このカードで買ってもいいでしょうか?」

彼はうなずき、再び目を閉じた。

「ひざかけと毛布、枕をお持ちします」

台所に戻るとケータリングの食事は、とっくに冷めている。

「ああ、温かい物が食べたいな」

取りあえず、電子レンジに肉の皿をぶっこんで思った。

そう、ここは静寂だが、冷たく、動きのない世界なのだ。


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