連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
そう言うと、バスケットの持ち手に手をかけたので、僕はあわててバスケットの上に覆いかぶさった。

「ああ、これは壊れ物なので、僕が運びます。段ボールのほうを台所までお願いします」

バスケットの中身は、サプライズの秘密兵器だ。

まだ、誰にも知られたくない。


僕は、バスケットを抱えて、揺らさないように車から降りた。
トビアス様がどんな反応をするか、楽しみで口角が上がってしまう。

食堂には真っ白なテーブルクロス、中央に黄色の薔薇とカスミソウのテーブルフラワー。
燭台も出して、ろうそくを飾った。

ワイングラスとカトラリー、ナプキンを準備すると、ブイヤベースをオーブンに入れて、サラダの仕込みにかかった。

時折、台所の隅に置いてあるバスケットのふたを開けて、中を確認して声をかけた。

「トビアス様が、気に入ってくれるといいけどね?」

その時にチャイムが鳴って、玄関ドアの鍵を開ける音が聞こえた。

僕はすっとんで、玄関に向かった。

「トビアス様、お帰りなさいませ」

彼は帽子を取り、顔を台所に向けた。

「ああ、ただいま。すごくいいにおいがするね」

< 44 / 70 >

この作品をシェア

pagetop