連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
「お前の今日の相方は、テネシーだったな。あいつはどこに行った?
あいつの足環もはずさなくちゃならん」

「たぶん、トイレでしょう?ステロイドを打っていると思いますよ」

テネシーは、筋肉モリモリが売りの奴隷だ。

オイルを塗りたくり、血管を浮き出せるようパンプアップさせるため、直前にステロイドを使うのはいつものことだ。

今日の演目は、筋骨隆々としたオトコが華奢のオトコの娘を犯す・・・

と思いきや、娘に手錠をかけられて、バックでガンガンに穴を掘られるという筋書き。

客は長い黒髪を振り乱し、みだらに腰を振る華奢なオトコの娘に喝采を送る。

そして己の股間を熱くして、次に待つ快感に期待を膨らませるのだ。

僕はベルトに仕込んだディルドと、疑似精液の入ったシリンジを確認した。

ショーは時間制限がある。

本番と見せかけ、疑似精液をテネシーの顔にぶっかければ終了になる。

僕たちの役目は、客に興奮と期待をさせる事であって、あくまで前座なのだ。

マネージャーは、タブレットでテネシーの居場所を確認したようだ。

「リアム、見に行ってくれ。1階の従業員用のトイレだ。そこで倒れられると、やっかいだ。」

薬の過剰摂取は危険を伴う。



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