連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
「その人の・・・写真はありますか?」

「慈善団体にも当たったのだが、書類の保管期間がすぎていて廃棄されていた」

そうだろうな・・・母親の名前がわかっただけでもラッキーなのだろう。

「それで・・・君の今後のことだが、国籍の取得をまずはじめる、ということでいいね」

ウィザースが確認したので、僕は座ったまま頭を下げた。

「よろしくお願いします」

トビアス様が、僕の代わりに質問をした。

「リアンナ・ザカスさんは、どこに埋葬されたのですか?」

「ええと、グレンファースト女子修道院ですね。ここから1時間くらい車で行った山里です」

トビアス様は心配げに、目を細めて僕を見た。

「これから行ってみるかい」

「はい・・」

まったく実感がないが、行くべきなのだろう。



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