連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス
「まぁ、本当に、あなた、リアンナとそっくりだわ。その目の色もね。
私は、病院で彼女の担当だったの。
彼女はいつも「リアムはどこ」って叫んで、いなくなっちゃったと泣いていて・・・」

僕は息が止まりそうだった。

「退院が決まった矢先に、急に容態が悪くなってしまって。
ちょっと待ってね。リアンナの写真があるわ。私と一緒に撮ったのが」

渡された写真のリアンナは・・・幼い少女のように、はにかんで微笑んでいる。

天使のように、汚れの無い純粋さ。

僕とそっくりのリアンナは、ちゃんとしたベッドで、この人に見守られて、天国に召されたのだ。

僕の目から、ボロボロと涙がこぼれ落ちた。

よかった・・・リアンナは人としての尊厳を持ち、安らかに逝った。

薬物をやる人間は、刑務所か死体置き場か、どちらにしても野良犬のような死が待っている。


「リアム、大丈夫か?」
トビアス様の声を聞いた瞬間、なにかの感情の壁がはじけて崩れ落ちた感覚に陥った。

「ううううぁぁ・・・」

獣のような声を出して、僕は彼にしがみついた。

心が傷ついて、血が噴き出ている。

トビアス様は・・・祈るように、僕を静かに抱きしめてくれた。

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