連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス

リアムの決意

<リアムの決意>

その夜、僕はベッドに座り、マランの背中をなでていた。

マランは四肢を投げ出して、安心しきって眠りこけている。

明日は、ルーミンが戻って来る。

僕たちはここから出ていかねばならないから、この館での最後の夜になる。

トビアス様は帰る車の中で、諭すように語った。

「君の未来はこれからだ。学校で学ぶのもいいし、働いてもいい。
自由に、自分の力で生きていくことができる」

少し間があいたが、続けた。

「愛する人を見つけるんだよ。そして家族をつくることもできる」

愛する人を見つける、家族をつくること。
マランは僕の家族だ。

そして・・・・僕は立ち上がり、壁にかかっている色紙を見た。

トビアス様のプレゼント。

黒い木々のシルエットと川沿いの小さな家、そこには希望の光が灯っている。

僕はその絵を外し、大きな紙袋の中に入れた。


そしてバスルームに向かった。
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