連理の枝と比翼の鳥 リアムとトビアス

奴隷の実態



<奴隷の実態>
ここで働く奴隷は、概ね2種類に分かれる。

テネシーのようにガチムチ筋肉タイプと、僕のようなオトコの娘タイプだ。

富裕層の変態の客に高く売るためには、まず奴隷に付加価値をつける。

単に体を売るだけの男娼と差別化するために、上流客のニーズに合わせての教育をするのだ。

性的なマッザージやテクニックはもちろんだが、受けと攻めの両方ができること。

海外から買い付けにくる客もいるので、語学も2~3か国語くらいはマスターさせられる。

主人が誘拐や襲撃されそうになる時に備えて、ボディガードを兼ねるため、格闘術、銃の取り扱い、運転技術、ピッキングも訓練を受ける。

パーティの時はコンパニオンや給仕として働けるよう、接遇や酒についても学ぶ。

僕はこの組織に6歳ぐらいの時に売られ、すぐに足環をつけられた。

ここでは「リアム」と呼ばれたが、本名なのかもわからない。

生年月日も不明だ。

記憶にあるのは、たくさんの女を「ママ」と呼んだことだけだ。

この組織の奴隷養成所では、足環をつけた子どもがたくさんいた。
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