その音が君の証
男と関係が上手くいっている時は機嫌がいいけど、上手くいってない時は私に当たり散らかしてくる一方だ。
夜少し買い物に行こうとするだけで、男と遊んでる暇あったら勉強しろとか、大して低くないテストの点数を見せながら文句を言ってきたりとめんどくさい。
自分だって男と遊んでいるくせに何を言ってるんだか……
「恋瀬ー!こっちこっち!良かったー来てくれないかと思ってたわまじで」
「なんでお前の中で私の信頼度そんなに低いのよ」
「いや強引に誘いまくってた自覚は流石にありましたので」
「…………おぉ!!!まじで美少女じゃん!!こいつのことだから盛ってるのかと思ってたけど想像の1億倍美少女きたー!!!」
「分かるぞ。興奮する気持ちは一旦抑えろ。恋瀬も来たことだしとりあえず店行こうぜ」
知らない男達が4人ほど自分をまじまじと見てくるのは酷く気分が悪いが自分が誘いに乗ったことが悪いのでどうしようも無い。
…………はぁ、4時間くらいで解散になればいいけど。二次会とか意地でも行きたくないなぁ……
自己紹介をしたり、適当に話を合わせて街を歩く。
治安が良いとは言えないこの街には色んな人が行き交い賑わいを見せている。
その点で、この街の賑やかさが私の心の真っ黒な感情も全て飲み込んでくれるんじゃないかと期待してしまう。
~~~~♪
……………ん?ギターの音?
どこからか音楽が聞こえてきて顔を横に向ければ、路上の隅みでギターを弾いている男の人が目に入った。
……………綺麗な人……