その音が君の証





金髪の少し長めな髪で顔は隠れてあまり見えないが、ギターを弾いている姿は1枚の絵になっているみたい。



もちろん私はギターに詳しくなければ、特に盛大に音楽を弾いてるって訳でもないのに体の全神経がその音に過剰に反応している。



一瞬だけ時間が止まったような、その男の人と男の人が奏でるギターの音から目を離せなくなった。





花壇の淵に腰掛けてギターを弾いている姿があまりにも美しくて、胸の内にスっと入り込んでくるような優しい音で。




「恋瀬?どうした立ち止まって」




「……あっ、いやなんでもないよ!ごめんごめん」





引っ張られてしまった意識をみんなの方に戻す。
その場を離れてしばらくしても、私の頭の中にはさっきの音が流れ続けていた。










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