もうすぐ30歳ですが、なにか?
お義母様と会わせてもらう約束をした。
先生がどう思ってもお義母様なんだから。

うちに挨拶に来てくれるのに、私が会うのは当然だと思った。
もし嫌われたって、今の時代、お嫁さんよりお母さんと仲良しの息子が多い中、柾哉先生は私の方を大切にしてくれるはずだから。

私達二人の休みが重なった日、ホテルの日本料理のお店で会うことになった。

祖母は着物でなくても良いのかと言っているが、母はあまりかしこまらなくて良いからと言われてるのならワンピースにしたほうが良いと言っている。
家族は皆、柾哉先生のことをよく知っているから、女性陣はあれこれ口を出してくる。
反対に男性陣はいつもより静かで暗い。

時間通り、柾哉先生が迎えに来てくれた。
ネクタイは締めてないけどジャケットにブラックデニム、足下は革靴。
いつもと違う柾哉先生がいた。
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