もうすぐ３０歳ですが、なにか？
目が合った。
悪いことはやってないけど、居心地が悪い。

トイレに立ったとき、駿輔に出口で待ち伏せされてしまった。
｢なんで俺じゃダメなんだ？｣
壁ドンされた。
ちっともキュンキュンしない壁ドンを。

｢何やってんの？｣
多岐川先生がまた助けてくれた。
｢先生は関係ないでしょ！｣
確かに。でも行かないでほしい。

｢いや、関係あるの。こいつ、俺んだから｣
駿輔が驚いてる。
いや、私の方がもっと驚いてる。
｢戻って来んのが遅いから、見に来たんだけど｣
腕を引っ張られて、駿輔から離れられた。
この流れが理解できないけど、とりあえず乗っかることに。
｢俺は信じませんから｣
駿輔が店に戻って行った。
私だって信じられませんから。

｢良かったのかな？｣
もちろん良かったし、助かった。
このまま駿輔が納得してくれたならば。
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