あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


視線は逸れたままなので表情は分からないけれど、どうやらこの答えを彼は気に入ったようだ。


「この業界じゃ別に珍しくもないですし、そこまで潔癖じゃないです。…ただ、その火の粉が自分に降りかかるなら別ってだけの話で」


そんな事でいちいち拒否反応を起こしていては身がもたない。
私には縁遠い話だけど、先日共演者食いと噂される事務所の先輩がとうとうすっぱ抜かれて浮気報道が拡散したばかりだ。けれどそういう路線で売っていた事もあって仕事にそれほど影響が出た様子も無い。

それを聞いた時でさえ、ふーんと思った以外特に何も感じなかった。そういうものなんだなと、他人事のように思ってた。


「…やっぱりいいね、白雪ちゃん」


霜月さんの声が弾む。その妖艶な双眸が再び私を捕らえ、無意識にごくりと息を呑んだ。
至極愉しそうな彼の様子に、なにやら私は彼のツボを押してしまったらしいと悟った。


「白雪ちゃん、これ、着てみてくれる?」

「…はい」


後ろ向いてるからと言われ、外には出ないんかいと思いつつ服に手をかけた。まあ見られたところで撮影用の見せブラを着ているので問題は無いけれど。

事前にあった説明の通り1枚目のテーマは「彼シャツ」らしく、なんてことのないメンズサイズのシャツだった。


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