あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「迷惑なら那由多の方から否定しておいてよ」
『お前…面倒事こっちに投げたいだけだろ』
「あは、バレた?」
笑いながら返せば、ため息が返ってきた。
『まあこっちもそんな打撃があった訳じゃねえから適当に流しとく。お前もそれでいいんだな?』
「うん。あ、でも萌葉には否定しておくよ。隠し事したら拗ねちゃうから」
『十分言えない事やってるけどな』
「それは言わない約束でしょ」
それじゃあ。そう言って電話を切った。それと同時にドアが叩かれ、返事もなく和泉さんが入ってくる。
「電話は終わったか」
「和泉さん…私まだ返事してないんですけど」
「お前みたいなクソガキの着替えなんか見たって何も思わねーよ」
誰がクソガキだ。そう思って睨むも和泉さんはどこ吹く風と言ったように愛用のメモを開く。
「で、本当のところどうなんだ」
「どうって…那由多とですか?」
「他にねえだろ。男の影ひとつ無かった及川白雪の初の熱愛、マネージャーの俺が真実を知らねえってのも変な話だろうが」
「んー…。そうは言っても、話す事なんて特段ないですよ」