あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
言っている間もキスは降り注ぎ、もぞもぞと服を弄られる。手の甲をつねってやろうかと思ったが、下手に声を上げられると面倒なので腕を掴むに留めておいた。
『診察の日程早めるか?』
「大丈夫です。…すみません和泉さん、モーニングの時間が迫ってるのでもういいですか?」
時刻は8時半。そろそろ身支度を整えなければ食いっぱぐれてしまう。
和泉さんはそうだなと言い、再三私にパスポートやら搭乗手続きを念押しして電話を切った。どれだけ信用が無いんだと不満に思ったが、今はそれを上回る不快感で頭が占められていたのでそちらへ視線を向けた。
「漣、やめて」
言い放てば、漣は腕に力を込めて私を背中から倒した。
「白雪、ちゃんと寝れなかった?」
漣が頬を撫で、その手の優しさに絆されそうになってしまう。
「…たまにそういう日があるってだけだよ。それより、電話中に変なことしないで」
「別にいいじゃん、バレても」
「そういう事を言ってるんじゃないんだけど」
電話中に悪戯をするなと言っているのだ、私は。というかバレるも何も、そもそも始まってすらないじゃないか。