あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「あー…成る程ね。…白雪の立場だと、そう捉えられなくもないのかな」
漣は1人で何かを納得したように言っている。それにひどく苛立ちを覚えた。
「…なんなの。要は私を好きにさせてどうしようもなくなったところで捨てるってことでしょ。だったらこんな遠回しなやり方しなくてもいいよ。ヤるなりフるなり好きにしてよ」
掴んでいた裾を離し、苛々と髪を掻き上げた。
「あの時だって別に嫌いで離れた訳じゃない。どうしようもなかったから、セフレでいられなくなったからああ言ったの。今も昔も、ずっと心の中に漣がいる。…消えて欲しいのに、消せないの」
これで満足かと言わんばかりに吐き捨てる。ずっと抱いていた恋心を告げるにはあまりにおざなりだけど、蔑ろにされると分かっていてなお健気でいられるような献身的な想いじゃない。
長年秘めているうちに扱いが分からなくなり、ここに来て色んな感情が混ざり合って、煮こごりみたいになったこんな気持ちなんてそうする他収めようがなくなってしまった。
「漣の好きにすればいい。私を弄んで傷つけたいならそうすればいいし、専属になって私のネームバリューが欲しければ使えばいい。それ以上の関係を望むなって言えばそうする。けど、セフレに戻るのだけは嫌。…もうあの頃みたいに見て見ぬ振りは、出来ない」
会えない間に他の女と会っているのかとか、それに触れた手で私に触れるのかとか、もう考えたくない。
せっかくどうして、表立って好きだと言える地位に立ってなお、そんな事を思わなければならないの。