あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜


半笑いで言う漣は、散々焦らした割には何でもないことのように続けた。


「俺には、多分もう無理」

「…?」


意味が分からないと言うように見上げれば、漣の喉仏に鼻先が当たった。


「今さら白雪以外に触れたいとも思えないし、それ以上なんてもっと無理。寧ろ鬱陶しいとすら思う」

「…は?何、どういう…」

「言ったろ、俺の全部は白雪に向くって」


返事に迷っているうちに漣は手を頭へと動かし撫ではじめる。


「可哀想な白雪。離れてる間に他の男にしておけば自由でいられたのに」

「漣…?」

「ねえ、白雪」


漣と目が合い、その熱に思わず身を引いた。


「俺が日本に戻ったらさ、結婚してよ」

「……」


は?と声が出たのはその数分後だった。

< 215 / 331 >

この作品をシェア

pagetop