あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
それはずっと求めてやまなかった言葉。
咄嗟に見上げていた顔を下へ落とした。漣の言葉を信じたい、そうは思えどやはり不安は残る。
自ら選んで側にいることを選んだはずなのに、それでも尚しつこく疑うのは、私が我儘なせいだろうか。
「…でも、」
そこまで言って言い淀めば、その先を促すように優しく指が絡められた。
「…昼間、女の子達と楽しそうに話してたじゃない」
口にして自分自身に呆れた。結局しっかり嫉妬しているんじゃないかと無駄に意地を張って強がろうとした自分に何とも言えない感情に苛まれる。
「本当に楽しそうに見えた?」
漣から聞かれ、眉が寄る。けれど思い返してみれば、私は実際に彼の表情は見ていなかったと、ふと思った。
「…違うの?」
「違うね。白雪に意識が向かないよう相手してただけで、寧ろ少し苛々してた」
「…。撮影の時は?女性スタッフとよく話してたけど…」
「あれも話しかけられたから仕方なく応えてただけ。下手に邪険に扱って撮影時間伸びたら白雪との時間が減るだろ」
「…夜の誘い、持ちかけられたって」
「それは白雪が煽ったからじゃん。女癖悪いなんて聞いたらあわよくばって期待するのは普通じゃない?」
「……」
「なのに当の本人は俺なんてそっちのけで1人でホテル帰るし挙句ナンパなんてされてるし。…あの時は俺、ちょっと気が触れてたなあ」