あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「…そうだね。女の子の涙を止める方法なんてひとつしか無いもんね」
「……」
「心配ありがとう。肝に銘じておくよ」
飄々と笑顔で言った漣は私を引き寄せ腕の中に収める。その腕の力に漣の余裕の無さを感じ、不謹慎だけど少しだけ胸が熱くなってしまった。
「うちの白雪がお世話になったね」
そう言って私を抱いたまま踵を返そうとしたが、再び那由多に引き留められた。
「…まだなにか?」
「はい。どっちかって言うとこっちが本題です」
途端に真剣身を帯びた表情を見せた那由多に流石の漣も笑顔を消した。唯ならぬ雰囲気を感じ私が息を呑んだ時、那由多が一歩近づいて私達に顔を寄せ声を落として言ってきた。
「…実は、熱愛の誤報があってから、時々俺宛に脅迫文が届いてるんですよ」
「なっ!?」
何で教えてくれなかったのか、そう声を上げようとすれば漣に口を塞がれた。
「続けて」
「恐らく白雪のファンからです。幸い全部事務所宛なので俺の自宅は知られてません。けど、今後マジで付き合うならそっちも気をつけたほうがいいかと思って」
「…そう」