あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
「すみません…プライベートでお会いするのは、ちょっと」
「この間の報道は嘘なんでしょ?業界内じゃ君らがただの友人だって事は有名だから誰も信じてないよ」
「だとしても、お断りします」
「1回だけ。ね?」
何がね?だ。先輩でなければ鳩尾に一発入れてやりたくなるしつこさだ。いい加減イライラして無理にでも離そうとすれば、側から「白雪」と声がかけられた。
「衣装替え、急がないと次のシーン遅れるよ」
これほどまでに漣が頼りがいのある男に見えたのは初めてだった。内心で助かった、と吐き私は迷いなく佐原の手を払い漣に駆け寄る。一応形だけの会釈をして漣に続いて衣装部屋まで移動し、ドアを閉める。
「助かったよ漣。ありがとう」
貼り付けた笑顔を崩し不快感を露わにしながらそう声をかければ、漣は着替えのためゆっくりと着物の襟に手をかける。
「…あれ、前から?」
「そう。いくら断ってもしつこくて」
ふーんという言葉と同時に重い着物が降ろされた。襦袢姿の上に胸との凹凸をなくすために巻かれたタオルに息苦しさを感じ、少し緩められないかと聞こうとしたところ、不意に漣の顔が落ちてきた。