あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜



「…うん、いいね。思った通りよく似合う」

「……」


重い。色んな意味であまりにも重い。もはやドン引きを通り越して無の境地に立っている。


「…漣、これって…」

「見ての通り指輪だけど」

「じゃなくて…これ、まさかとは思うけど…婚約指輪…?」


そう尋ねれば、漣はにこりと笑う。


「白雪がそう取ってくれるなら、それでいいよ」

「いや…だって…大きさが…」


どう考えても恋人に軽々しく贈るようなそれじゃない。見上げれば、どこまでも愛おしそうに私を見つめる漣がいた。


「俺のだって公言出来ない分、虫除けになればいいなって」

「虫除け…」

「プライベートの時だけでもいいから、着けてね」

「……」


漣は私の手を掬い上げ、薬指にキスをした。その言動ではたと思いつく。


「漣…まさか最近別行動してたのって、これの為…?」

「?そうだけど」


他に何かある?と聞かれて私は脱力した。たしかにがっかりさせるような事じゃない。けれど斜め上過ぎて想像だにしていなかった。

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