あばかれ、奪われる〜セフレから始まる歪愛〜
瞬間、私の中で何かが決壊した。
ぽろぽろととめどなく流れ落ちる涙は止まる事を知らず、私は漣の肩に顔を埋めた。
「…私、も…愛してる、」
自然に漏れた声は、涙と嗚咽のせいでところどころ途切れていた。声にならない事実を誤魔化すように身体を離し、私は漣の頬を掴みキスをした。
初めて自分からキスをした。それほどまでに漣が愛しくて堪らなかった。
この時、私は本当に、この人になら騙されてもいいと、壊されてもいいとさえ思った。
例えまた傷付くことになったとしても、それでもいいと思うほどに、溺れてしまった。
いつも漣にされるがままだったから、自分のキスが下手なのは分かっていた。それでもやめられなかった。
何度も角度を変え、いつも漣にしてもらっている事を真似る。悲しくなるくらいうまく出来ないのに、それでも気持ちが良かった。
ゆっくりと離れ、恐る恐る漣を見る。ド下手だと笑われるかと思いきや…漣は、泣いていた。